フレームアレスターの分類

フレームアレスターは大きく分類して、インライン用とエンドオブライン用に分類され、パイプラインおよび機器と機器の間など、配管の中に組み込まれるものはインライン・フレームアレスターと呼ばれ、配管または機器の末端およびタンクの大気放出部に取付けられ、落雷や外部の火災などによる火炎の侵入を防止するものは、エンドオブライン・フレームアレスターと呼ばれます。更にエンドオブライン用は持続燃焼、短時間燃焼、瞬間燃焼に分類されます。持続燃焼はフレームアレスターの消炎ユニット部で1分以上にわたり、燃焼が持続することを指します。短時間燃焼は消炎ユニット部での燃焼が1分未満の場合を指します。瞬間燃焼はブリーザーバルブと組合せた場合の可燃性ガスが瞬間的に放出された際の瞬間的な着火を指します。インライン用は短時間燃焼、瞬間燃焼対応となり、持続燃焼する場合は使用出来ません。
瞬間燃焼以外の燃焼(短時間燃焼、持続燃焼)を安定燃焼(Stabilised Burning)と呼びます。

  • ▲デトネーション用フレームアレスター

  • ▲デフラグレーション用フレームアレスター

  • ▲エンドオブライン用フレームアレスター

また、爆発クラスによってエンドオブライン用はIIB3クラス、IICクラスに分類され、インライン用はIIAクラス、IIB3クラス、IICクラス、アセチレンに分類されます。また、インライン用は着火源からフレームアレスターまでの距離を配管径で割った値のL/Dが50以下(IICクラスはL/Dが30以下)の場合はデフラグレーション用となり、L/Dが51以上(IICクラスはL/Dが31以上)の場合はデトネーション用になります。 条件が一つでも異なったフレームアレスターを選定すると、安全装置としての性能を発揮出来ません。フレームアレスターの選定には上記の条件を吟味し、最適な型式を選定する必要があります。

▲持続燃焼用エンドオブライン用フレームアレスター

燃焼が続くと、ウェザーフッドが外れて熱を放出し、上流側への自然着火を防ぎます。

認定制度

プロテゴ製フレームアレスターは、欧州防爆指令ATEXにより義務付けられている第三者機関の消炎認定を全てのフレームアレスターに対して取得しております。消炎認定とは、フレームアレスターの欧州規格のEN 12874に規定されております消炎テスト方法に基づいて実施され、合格した型式に対して第三者機関より認定書が発行されます。 日本国内では、残念ながらフレームアレスターの規格がまだ整備されておりません。従いまして、ユーザーはその安全性をご自身で確認する必要があります。プロテゴ製フレームアレスターはユーザーが確認しなければならない安全性を第三者機関により確認されていることに大きなメリットがあります。

  • ▲消炎認定書

  • ▲性能認定試験

温度センサー


▲温度センサー付きフレームアレスター

▲岡崎製作所製R99S型温度センサー

フレームアレスターの役割は炎を消炎することですが、永続的に炎を消炎し続けることは不可能です。フレームアレスターの上流側より可燃性ガスが流れ続けた場合、下流側より逆火してきた炎がフレームアレスターの消炎ユニット部で燃焼し続けます。この場合、消炎ユニット部が高温になり、上流側の可燃性ガスが自然着火する可能性があります。この現象を防ぐためにも、下流側に温度センサーを取り付けて、可燃性ガスをシャットダウンする必要があります。プロテゴ製インラインフレームアレスターには温度センサー用の取り付けポートが付いていますので(一部対象外あり)、温度センサーを取り付けて1分以内に可燃性ガスをシャットダウンして下さい。 国内で温度センサーを用意する際は、プロテゴが認定を取得している温度センサーと同等品の株式会社岡崎製作所製R99S型を推奨致します。

ISO規格

日本国内ではまだ整備が行き届いていないフレームアレスターの規格ですが、世界的に見ますと既に規格の統一化が進んでおります。2008年3月にフレームアレスターのISO規格が発行され、今後メーカー側はフレームアレスターの規格ISO 16852に従ったフレームアレスターを製作することが必須となり、ユーザー側もその規格に従って製作された製品を使用することが必須となります。